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執筆者の写真VOC外猫診療所

手術済の雌猫

 避妊手術ご依頼の雌猫でした。第一印象は雌にしては体が大きく、もしかしたら避妊済なのではと思いました。捕獲器にそっと手を入れると若干嫌そうでしたが、噛みつく様子もなく、おとなしそうでした。バスタオルを用意し、依頼者様に保護用の革手袋をしていただき、捕獲器から出した猫の保定を手伝っていただきました(診療所は自分一人なので、十分安全だと判断できればお手伝いをお願いしています)。バリカンでお腹の毛を刈ったところ、切開跡が認められ、さらに乳頭がほとんど発達しておらず、出産したような形跡はありませんでした。猫の様子から1歳以上は確実だったので、外猫の雌で未経産なのは避妊手術済の猫であると十分推測できました。手術してあるにもかかわらず、外にいる猫で耳カットしていないのは、基本的には避妊手術済の飼猫が脱走してしまい、そのまま外猫になったと考えております。ただ、獣医師が耳カットの必要性を認めていなかったり、依頼される方に耳カットの意味を伝えていない場合もありました。雄猫であれば比較的すぐ判断(陰睾といって精巣が陰嚢におりてこない場合もまれにあります)できますが、雌猫の場合は麻酔をかけ、毛刈りして初めて気付くこともあり、それだけ猫に負担をかけてしまいます。今回の雌猫は鎮静・麻酔を実施して、耳カットのみ行いました。ご飯をしっかりもらっている様子で、健康状態も良さそうでした。交通事故などあわないよう長生きしてくれることを願っております。ところで、愛川町では10月より大幅に猫の助成金制度が変更されました。制度改正そのものには賛成ですが、外猫のことを良くわかっていない職員が作った為、残念なところが多数あります。愛川町民である私は、今後強力に改正をお願いするつもりでいます。残念なところを1つあげると、リターンした外猫の耳カットは必須ではありません。これで良いのでしょうか?


乳頭の中央にある細長い楕円で毛が生えていない部分がへそで、その下から真っ直ぐに切開した後が観察できます。通常の怪我でこのような跡がつくのは希です。また乳頭が子猫のようにほとんど発達していないのがわかります。写真ではお見せできませんが、体は雄猫のように大きいです。

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