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感染症検査について考える〈その2〉

 前回『猫白血病ウィルス(FeLV)抗原/猫免疫不全ウィルス(FIV)抗体同時検査用キット』(以下『F/F検査』)について述べましたが,FeLV感染症とFIV感染症について、『犬と猫の検査・手技ガイド2019私はこう読む』を参考にポイントを述べたいと思います。

【FeLV感染症】

 ・ウイルスは感染猫の唾液に存在し、グルーミングや食器の共有など猫同士の接触により

  感染する。

 ・感染猫ではリンパ腫、白血病、骨髄異形成症候群、免疫抑制、貧血、免疫介在性疾患、

  繁殖障害が認められる。

 ・感染が判明した場合は、一生涯ウイルスを体内に保持することになる。

 ・一般的に診断から2~3年後に症状を示す傾向にある。一方で、未発症で一生を終える

  場合もあり、必ずしも発症するとは限らない。

 ・FeLVに感染した直後(1~2か月)はウイルス抗原が検出されない場合がある。

【FIV感染症】

 ・FIVの主な感染経路は闘争などによる咬まれ傷で、相手の唾液中に含まれるウイルスが

  直接的に伝わる。

 ・病的な状態としては、臨床症状に基づき、急性期、無症状キャリア期、持続性リンパ節

  腫大期、エイズ関連症候群期、後天性免疫不全症候群期の5つの病期に分類される。

 ・FIV感染後、1~2か月程度までに、血中に抗FIV抗体が産生されるようになる。感染後

  はウイルスが排除されずに持続感染状態となる。感染かどうかは血中抗体の検出で行

  う。

 ・FIVに感染し、抗体が産生されるまでの期間は個体差にもよるが、最長で2か月程度と

  いわれている。このため、感染していても抗体陰性となるため、偽陰性結果となる可能

  性がある。

 ・FIVに感染している母猫から生まれた6か月未満の仔猫は、生まれる前に母猫から移っ

  てきた抗体を有しているので、FIVに対する免疫反応である抗体に対する陽性反応が生

  ることがある。



 少々難しい言葉が並んでしまいましたが、次回は具体的なF/F検査の結果の使い方について説明したいと思います。

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